雨の街角

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水滴と涙

昔、なおみちゃんという友達がいた。

なおみちゃんは私よりも2つか3つほど年下で本当に可愛い女の子だった。高校の頃はコンビニでバイトをし、高校卒業後は喫茶店でバイトをしていた。私が彼女と知り合ったのは彼女が喫茶店でバイトを始めた頃だった。
私は彼女がバイトするその喫茶店に時々車を走らせた。
坂の上にある洒落た喫茶店だったが、場所があまりよくなかったのか客はいつも少なかったので、店に行くとなおみちゃんはよく私が座るカウンター席の横に座って話を始めた。

癖なのか、彼女はコップに水滴がつくとすぐにそれをおしぼりで拭き取った。夏の暑い日、アイスコーヒーを注文すると数分もしないうちにコップに水滴がじわりじわりと現れる。現れたかと思うかどうかの間なしに彼女は水滴を拭き取る。いつもそうだった。
何度かそうやって水滴を拭き取ったと思うと「あのね…」と言ってなおみちゃんは口を開き始めるのだった。

当時、なおみちゃんには彼氏がいた。彼女より5つくらい年上の会社員で高校生の頃からつきあっていると言っていた。
出会ってからつきあうようになるまでの話、遊びに行った話、楽しかったこと、嬉しかったこと…それらを目をキラキラさせながら私に話してくれた。
なおみちゃんが彼氏の話をするときはいつも、駐車場に停めてある私の車を見ながら話すのだった。
何故なら、なおみちゃんの彼氏は私が当時乗っていたのと同じ白いレビンに乗っていた。

けど、ある日「彼氏が最近あまり会ってくれなくなったの」となおみちゃんは嘆いた。
あんなにいろんなところに行ったのに、あんなにいろんな話をしたのに、あんなに電話をしてくれたのに、いつからか電話をしても素っ気なくなり、あまり誘ってくれなくなり、会うことも少なくなったと私の隣に座ってため息をつくのだった。
私も同じような経験があったから、なおみちゃんの気持ちは痛いほど伝わってきた。でも私は何も助言出来なかった。
なおみちゃんの彼氏には一度か二度会ったくらいで、そんなに話をしたこともないのでいい加減なことは言わない方がいいだろうと思っていた。
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| 2017.08.08 Tuesday | 思うところ… | comments(4) | - |
人生初のバイトは… 1

私が大学に入ってすぐから始めたコンパニオンのバイトは人生初のバイトだった。

アルバイト情報誌でそのバイトを見つけ、電話をかけると繁華街にあるビルの中にある事務所に来るように言われた。行ってみると綺麗どころがたくさんいて、中には時々テレビで見かける顔の人も。あとで聞くとCMタレントも抱える企画会社だということだった。
その繁華街の事務所に月末になると1ヶ月分のバイト代をもらいに行った。同じコンパニオン派遣会社でも日払いで給料を支払うところは、ちょっと怪しい場所での仕事だったり、怪しい仕事をさせられたりする。何度かヘルプで別のコンパニオン会社の仕事をして学んだことだ。

面接の数日後、採用の連絡をもらい、初仕事に行くことになった。そのときマネージャーに厳しく言われたのが「今日が初めてだと言わないこと。バイトだということも言わないように。お客さんが新人やバイトを回されたと思うと気分を悪くされるから」と。
でも私は、自分が担当したテーブルでサーバー(写真にある青椒肉絲についている大きなスプーンとフォークがサーバー)による料理のとりわけ方法が分からず、片手にスプーン、片手にフォークを持ってとりわけをして、お客さんに「君、この仕事初めてでしょ?」とバレてしまった。そのテーブルの人はとてもいい人たちばかりで、私はサーバーの使い方をこっそり教えてもらうことになった。フォークとスプーンをお箸を持つ要領で持つジャパニーズスタイルが一般的なのだが、私はお箸の持ち方が下手なので、スプーンを中指、薬指、小指で挟み、フォークを親指と人差し指で挟むウエスタンスタイルを教えてもらった。
「そう!それでいいの」「上手い、上手い!」とお客さんたちは拍手し、私の下手くそなテーブルサービスを笑いながらも励ましてくれた。
お客さんのその好意を無駄にしないよう、私は自分でサーバーを買ってきて家で次のバイトまでひたすら練習をした。その甲斐あって、次からはちゃんと片手にお皿を持って片手でとりわけが出来るようになったし、今でも食事に行ってサーバーによるとりわけが必要な時、スマートにこなせる。

あと、必要な道具としてマイ栓抜きを持って行かなければならなかった。それぞれ自分の栓抜きだと分かるように目印になるキーホルダーをつけ、それをドレスのベルト部分に引っかけてビール瓶の栓を抜く。
ビールの栓は飛ばないように上から包み込むように抜き、グラスに注ぐ時は瓶に貼られたメーカーのシールをお客さん側に向けて注ぐ。それらのことも初日のお客さんに教えてもらったことだ。
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| 2017.08.06 Sunday | 昔の私、今の私 | comments(4) | - |
第四章 秘密 〜永遠に続く恋心〜

「私ね、バンケットコンパニオンをやってるの。パーティコンパニオンともいうけど。ホテルのパーティではロングドレス着て、お酒作ったり、お酌をしたり、灰皿変えたり、料理を取り分けたり。ホテルの給仕さんと同じような仕事。料亭での宴会の仕事もあって、そっちはスーツ着て。一見さんお断りの料亭での仕事もあるから、普通じゃ入れないところに行けるの。そういうところだと舞妓さんや芸子さんと同じ席で一緒にお酌したり。でも宴会の時はお客さんに勧められたらお酒呑まなきゃならないから、私みたいにお酒呑めない人は困るんだよね。あとね、給料がすごくいいの。パーティって2時間がワンセット。それで5,000円以上。延長依頼されたら30分1,500円。遠くまで行けば出張費もつくの。チーフをやればその手当も出るから、もっと多くなるかな。私がチーフやることもあるんだよ」
由香は悪いことをしている言い訳のように、そのバイトについていろいろ話した。

「へぇ、時給2,500円以上ってこと?俺のバイト料の3倍以上か。そんなに稼いでどうするの?」
「車が欲しいの」
「でも言わば水商売みたいなものだよね?親は知ってるの?そういうバイトしてること」
「うん、知ってるよ。ちゃんと話してる。うちの父親はそういうパーティに出ることも多いし、変な仕事ではないって知ってるから。私が席を置いてる事務所は大手だから父も知ってて使うこともあるって。さすがに鉢合わせしたら気まずいかもしれないけど。それにうちの家は自分が欲しいものは自分で働いて買いなさいっていう教えなの。そういうのもあって、この仕事に反対はしてない。むしろ応援してくれてる」
「ちょっと変わった親御さんだな」
お兄ちゃんは苦笑いだったが、でもそのあとチクリと言った。
「水商売に偏見持ってるわけではないし、それにおまえは、きっとこういうこと言われるのは嫌だろうけど、俺はおまえが化粧して、他の男に愛嬌を振りまいてる姿はあまり見たくないかな」
やはりいい顔はされなかったけど、お兄ちゃんがそう言ったのはその時だけだった。

その後、由香がバイトに行く日は、バイト先のホテルや料亭への送迎をしてくれることもあった。
彼が迎えに来てくれる時は、必死で化粧を落とした。仕事をしていた形跡を消すかのように…
バイトが終わった後のデートは、夜遅かったので、いつも夜景の見える場所へ行った。
夜景を見てしばらくしたら車に戻り、時間の許す限りそこで話したり、何も言わずただ手を握ったままで、お互いのいる感覚を確かめていた。
でも夜の時間は、昼の時間よりずっと早く過ぎていくもので、たいした会話もしないうちに別れの時間になってしまうのが悲しかった。

何度目かの夜のデートの時、お兄ちゃんが聞いた。
「煙草、吸ってもいい?」
「あれ?お兄ちゃん、煙草吸うんだっけ?」
「うん、1日数本だけどね」
「そうだったの。あ、吸ってもいいよ。私も吸う人だから」
由香は鞄から自分の煙草を出して、それを見せながら言った。

その日から由香は、お兄ちゃんと同じ銘柄の煙草に変えた。
彼が運転中、煙草を吸いたそうにしていたら、自分の煙草に火をつけて、それを差し出した。
そうしてしばらく経った頃、お兄ちゃんが言った。
「おまえからこうやって火のついた煙草をもらうの、すごく嬉しいんだよね。いつもと違う味さえするよ」
「違う味って、また毒でも入ってるとか言いたいの?お弁当のときみたいに」
由香が笑いながら、憎まれ口を叩くと
「またそんなこと言って。旨いって言ってるんだよ。もし俺と別れたとしても、他の奴にそうやって火をつけてあげるのはやめてくれよな、絶対。これは俺だけの特権だから」
お兄ちゃんは真剣な顔で言った。
「別れたとしてもなんて言うのはやめて!冗談でも」
由香は少し怒りながら言い返した。

永遠に続く恋心なんて信じてはいなかったけど、別れる時が来るとか、駄目になるのではないだろうかという意識は、出来るだけ遠ざけたかった。

この恋を、大事に大事にしたかった。




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| 2017.08.05 Saturday | ニタモノドウシ | comments(4) | - |
暑中お見舞い申し上げます
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毎日暑いですね。ってことで
「暑中お見舞い申し上げます」
もう数日で「残暑お見舞い」に変わるけれど。

写真は昨日の様子ですが…
仕事で車を運転していて信号で止まったら、何だか道路がゆらゆらしてるような暑さだった。
いやいや、ホント暑いよなぁと思ってふとダッシュ下を見て驚いた。
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| 2017.08.04 Friday | 日々 | comments(8) | - |
知恩寺と知恩院 1
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最近撮ってきた写真は出してしまい、前の写真を整理していたらまだ出していない写真がいろいろ出てきました。
中でも一番古いのは去年の11月の写真でした。古すぎるけど、1年は経ってないのでよしとしましょう(笑)

という訳で、その去年の11月に知恩寺と知恩院に行った写真を載せていきますね。
まずは腹ごしらえ。私はサブウェイが好きなのでよく行きます。一番よく行くのは東京の新木場の駅にあるサブウェイなのですが。東京の支店が新木場にあるので、降りたら必ず立ち寄ります。
で、食べるものはいつも同じ。サブウェイクラブです。
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| 2017.08.01 Tuesday | 京都・神戸 | comments(8) | - |
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