雨の街角

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| 2019.08.11 Sunday |
第六章 苦悩 〜克己からの電話〜
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「由香?彼とはどうなんだよ?その後」
克己から電話があったのは、由香がそうやって自己嫌悪に陥っている頃だった。
克己は、お兄ちゃんに「元カレがヨリを戻そうと言って困っている」と嘘の相談をしたあの元カレだった。
先日、克己から電話があったとき、元気がないことに気づかれてしまい、仕方なく、彼とは会えない日が続いていることを打ち明けていた。
「あれからもずっと会ってない…電話もほとんどない」
由香は、すっかり滅入った声でつぶやくように言った。
「もうあきらめろよ。そんな男忘れて、コンパでもやろうぜ」
克己はやけに明るく言った。
「コンパ?」
由香は少し怒った声で言った。
「おまえも、会えない男のことばっか考えてないで、パーっとやった方がいいって」
自分が騒ぎたいというのももちろんあっただろうが、克己も多分、心配してくれているのだろう。
その気持ちが分かった由香は気乗りしないが彼の誘いに応じることにした。
「じゃ、5,6人集めといて。とりあえず元気出せよ。じゃあな!」
克己は楽しそうな声のまま電話を切った。

当日、約束の喫茶店で集合した後、ボウリングに流れることになった。
みんなが楽しそうにボウリングをしている中、由香一人、ゲームにも参加せず、後ろの席でぼんやりと考え事ばかりしていた。
『そういえば、初めてのサークルはボウリングだったな。あのときはお兄ちゃんのこと大嫌いだと思ってたんだ。居酒屋で意気投合するまでは嫌いだったんだ。そのまま嫌いでいた方が良かったのかな』と。

「…な、おい、由香!聞いてるのか?」
克己が声をかけてくるまでゲームが終わっていたことにすら気づかなかった。
「あ、ごめん」
由香はうつろな目で答えた。
「悪いけど、あいつ送ってやってくれよ」
克己があいつと指さしたのは、とても可愛い女の子のような男の子だった。彼は由香と目が合った瞬間、ペコリと頭を下げた。
「何で?克己が送ってあげればいいでしょう?」
由香は、頭を下げた男の子の視線を無視し、克己を睨むように答えた。
「いや、あいつ、おまえが気に入ったらしいんだよ」
克己は由香の耳元でこっそりささやいた。
「そんなこと知らないよ。第一、私はそんなつもりで来たんじゃない。克己だって知ってるでしょう?」
由香はきっぱりと言い放った。
「俺も言ったよ。由香には彼氏がいるって。でもあいつ、聞かないんだ。とりあえず駅までだけ送ってやって。あいつの家、遠いから電車で来てるんだ。な、頼むよ」
克己は言いたいことだけ言って、去ってしまった。
由香は言い返す気力もなく、克己の指示に従った。

「行くよ」
由香はポケットから車の鍵を取り出して、克己があいつと指さした男の子に言った。
そして振り返ることもなく、早足で駐車場に向かった。女の子みたいな男の子は後ろからトコトコ着いてきた。
彼はノボルだと言った。聞いてもいないのに、自分の名前をそう告げた。
由香は全く興味がなかった。
車内でも一言も口を開くことはなく、彼が告げた駅まで送っていくと
「じゃあね」
とだけ言って、車から降ろして去った。



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| 2017.09.30 Saturday |
2017 愛媛レトロ旅 6
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三津の駅を降りて徒歩5分ちょっと。
2軒目の目的地「島のモノ喫茶 田中戸」に到着!!
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| 2017.09.28 Thursday |
夏も終わりを告げた
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彼岸花はすごいと思う。
体内カレンダーが入ってるのかと思うほどに、彼岸の時期になったら間違いなく咲く。
もう葉っぱもないし、今年は咲きそうにないな…と思ってもやっぱり彼岸の時期になると咲く。
我が家の彼岸花はこんなに多くは植えていないので近くの公園で通勤途中に撮ってみた。
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| 2017.09.27 Wednesday |
第六章 苦悩 〜電話を待つだけの日々〜

ある日曜日、お兄ちゃんからもらったシフト表を見ると、ちょうど彼の入っている日だった。
由香はまた、彼のバイト先に行ってみることにした。忙しそうにしていたら、表から彼の姿を見てみるだけでもいい…と思った。
コンビニの前に車を止め、中をのぞいてみると、お兄ちゃんは見えず、バイト店員が2人見えるだけだった。由香は客のフリをして中に入ってみたが、それでもやはり彼はいなかった。
「すみません。今日は新井さん、いらっしゃると聞いたのですが…」
由香は客になりすまし、バイト店員に聞いた。
「今日はシフト変更になったので出てきてないんです。何かご用でした?」
「あ…いえ、ちょっと先日お願いしていたことがあって。でもいらっしゃらないのでしたら、また来ます」
「何か伝えておきましょうか?」
「いえ、結構です。お忙しい中ごめんなさい…ありがとうございます」
「申し訳ありません」
不審がる顔でもなく、アルバイトの店員は笑顔で応対してくれた。しかし、由香の心は複雑だった。
表に止めた車に乗り込み、コンビニを恨めしそうに見つめながら、独りごちた。
『バイトじゃないのなら連絡くれればいいのに。シフトが変わったのなら教えてくれたらいいのに。声が聞きたいのは私だけ?会いたいと思ってるのは私だけなの?』 

お兄ちゃんの家はここからすぐだ。
このまま車を飛ばそうか、それとも電話してみようか。
そう思ったけど、自分からは行かなかったし連絡もしなかった。

それ以降、お兄ちゃんのいるコンビニに行くのはやめた。
変に勘ぐってしまう自分が嫌だった。

それからも、明らかに電話の回数は減っていった。
お兄ちゃんに会えない時間を利用して、彼が好きな作家の本を読み、彼が好きなアーティストの歌を聴いた。
しかしそんなことをしても、彼と一緒に海で本を読んだことや、車で手をつなぎながら聴いた歌のことばかり思い出してしまう。
それらの行動は、会いたさが募るだけで、何の解決にもならなかった。
週末になるたび、もしかしたらバイトを休んで電話をくれるかもしれないと思い、朝から晩まで、電話の前で彼からの電話を待つだけの日々。
しかし、どれだけ待っても彼からの連絡はなかった。

由香は、寂しさをまぎらせるために、休みになるたび友達と出かけるようになった。遊園地、海、ショッピング…毎週毎週いろんなところに行った。
みんなの手前楽しそうに笑ったり話したりしたが、どこに行っても何をしていても気になるのはお兄ちゃんのことだけだった。
家に帰ったら「ただいま」というより先に「お母さん、誰かから電話なかった?」と聞くのだけど「ないよ。あったら言うって言ってるでしょ?誰の電話をそんなに待ってるのか知らないけど…」と呆れられる始末。
由香はもう出かけるのをやめた。
何をしていても、心の中では電話を待っているだけの状態。それはただ辛いだけだった。
それなら家で一人、膝を抱えて電話を待っている方がまだ良かった。辛かったけど、そんな状態で笑うよりはずっと良かった。

考えることはお兄ちゃんのことだけ。
彼に会うまでは、彼を好きになるまでは、恋人なんていらない、男なんて…と思っていた私。友人たちが恋人欲しさにサークル、サークルと騒ぐ姿に、嫌悪感すら覚えていた私。
それが今ではどうだろう。何をしていても彼のことしか考えられない、自分こそ、本当につまらない女だと、不気味な笑いさえこみ上げて来るのだった。



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| 2017.09.25 Monday |
2017 愛媛レトロ旅 5
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雨は降り続いていましたが、Funny's Waffleを後にして、伊予鉄松山市駅まで。
そこから高浜行きに乗りました。

忘れてきたカメラのレンズを買うというお話はどうなったかというと…
1軒目の喫茶店で本を見て次の行き先を考えながらレンズのことも考えていましたが、諦めました(笑)
というか、単焦点レンズ一本で勝負してやるぜ!ってことですね。
持って行ったカメラはフィルターもたくさんあるので、単焦点の方がいいか!って思ったのです。
負け惜しみじゃないですよ(笑)
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| 2017.09.24 Sunday |
2017 愛媛レトロ旅 4
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やった〜〜やっと到着したぁ!!Funny's Waffle。
けど、ここにたどり着くまで本当にどえらい時間がかかりました。
駅から8分で着くと本に書いてあったのに、私がここに着いたのは駅前から歩いて40分後でした。
一端近くまで行ったのですが「あれ?違う?」と思ってまた駅まで戻ってきてやり直ししたんですよ。
スマホの地図見ながら。
でもね、スマホの地図って西とか東とか言ってくれなくて右とか左っていうんですよ。
で左に行って地図を見たら逆方向。
ちゃんと東西南北で教えてよね!!!
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| 2017.09.21 Thursday |
第六章 苦悩 〜目に見えない厚い壁〜

「外で待っててくれる?もうすぐ休憩だから、近くの喫茶店でお茶でも飲もう」
お兄ちゃんがそう言うので、由香は外に出て待っていた。
「ごめん、お待たせ。あそこ、いつも休憩のときに行く喫茶店なんだ」
しばらくすると彼が一軒の喫茶店を指刺しながら出て来た。それはコンビニの先から続く商店街の入り口にある、古びた喫茶店だった。
店に入り、お兄ちゃんはコーヒーを2つ注文した。
マスターは、コーヒーをテーブルに置く際
「休憩かい?」
と彼に声をかけ、由香には
「ごゆっくり」
と言って下がっていった。
由香はいつも通り、スプーンをソーサーの奥に置いてブラックで飲み始めた。お兄ちゃんは、砂糖を2杯、そしてソーサーに置かれた小さなミルクポットに入ったミルクを、全て入れてかき混ぜた。
それはいつもと何も変わらない光景だった。
しかし、その日の二人のあいだには目に見えない厚い壁があった。
話したいことがいっぱいあったはずなのに、彼を目の前にしたら、その壁が邪魔をして由香は何も口に出せなかった。
「なかなか連絡が出来なくて…ごめんな」
お兄ちゃんがそう言うまで、二人に会話は全くなかった。
「仕方ないよ」
由香は少し笑って言った。
「駅前だから、ものすごく忙しいんだ、朝も昼も晩も。レジに20人30人と客が並ぶなんて、ザラで。もう毎日てんてこ舞い。レジが切れたら品出しだろう?手が空くのはいつも真夜中で。そんな時間に電話するわけにもいかなくて」
「分かってるって。気にしないで。それより身体は大丈夫?無理してない?」
分かってる…いや、分かってなかった。何も分かりたくなかった。本当は『こんなに会えないほど忙しいならバイトなんてもう辞めて』そう言いたかった。
でもお兄ちゃんにとって、バイトは、遊ぶためのお金欲しさではないことを、十分知っていた。
言えなかった。何も。

「ごめん。もう行かなくちゃ。休憩30分しかないんだ」
そういってお兄ちゃんがすまなそうに立ち上がった。由香は結局、何も話すことが出来なかった。
「ごめんね。急に来て」
「ううん、嬉しかった。ありがとう。また来てよ。先に出るけど、お金は払っておくからお前はゆっくりして行けよ。じゃあね」
「いいよ、そんなことしたら折角のバイト代が…」
と、由香は言いかけたけど、お兄ちゃんは伝票を持った手を振りながら、小走りで行ってしまった。
レジでマスターにお金を払うと、こっちを指差してあの子はもうちょっといるからと言うようなことを言い残してお兄ちゃんは店を後にした。
その後ろ姿を見送った後も、由香はしばらくぼんやりしていた。
どれくらいの時間が経ったのか、分からなかった。コーヒーはほとんど手つかずのまま完全に冷めてしまっていて、もう飲める状態ではなかった。
これからもこんな感じなのかな。もう以前のようには会えないんだな。
覚悟はしていたつもりだったけど、悲しかった。

カウンターの奥にいたマスターに頭を下げ、由香は喫茶店を出た。
車に戻り、彼の働くコンビニをのぞいてみた。帰ることだけでも伝えようと思ったが、コンビニのレジには、彼がさっき言ったように、多くの人が並んでいた。お兄ちゃんはレジを打ち、袋に商品を詰め、忙しそうにしていた。
もちろん、由香の姿に気づくこともなかった。
ドライブモードにシフトを入れ、ターンシグナルを右に出し、静かに車を発進させた。

それ以降も彼からの連絡はほとんどと言っていいほどなかった。
たまに店から電話をくれても
「ごめん、お客さん来たから。また電話するね」
と言ってすぐに切られてしまった。
由香の方もシフト表を見ながら受話器を手にするのだが、彼の忙しそうな姿を思い出すととても最後まで番号を押すことは出来なかった。

そんな日々が続いた。




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| 2017.09.20 Wednesday |
連休の出来事
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連休、いかがお過ごしでしたか。
とは言っても台風で大変でしたよね。特に昨日。
京都は昨日の22時頃が一番ひどかったですが、それでもいろんなものが飛んでいくというほどではなかったです。
いつもよりは少し雨がひどいのといつもより少し風が強いというくらいのものでした。

さて、そんな連休…とはいっても土曜日は仕事なので、日曜と月曜のみ休みだった訳ですが、2日とも行くところは同じ、京都駅付近でした(笑)
1枚目の写真は久々に服を買いましたという写真です。
それもこれをごっそりそのまま買いました。グレーのカーディガンとボーダーのブラウス、グリーンのワイドパンツ。
こういうのって飾ってあるまま買うのが一番無難…というとお洒落する意味がないか?(笑)
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| 2017.09.18 Monday |
2017 愛媛レトロ旅 3
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旦那と別行動に入り、まず市駅から銀天街という商店街へ。
アーケードがあるから雨降ってても安心!と思いつつアーケードがないところに行ってみるとこの雨。
写真真ん中少し右の方にある山の上には松山城が見える…のですが、雨でほぼ見えず(笑)
土砂降りな様子が見てとれますでしょうか。
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| 2017.09.16 Saturday |
第六章 苦悩 〜会いたい〜

定期便のような、夜9時の電話がなった。
「あ、俺…」
「お兄ちゃん。バイト、終わったの?」
「うん、さっき。あの…ね、今日はおまえに謝ることがあって…」
「何?キスが下手なこと?」
「そういうことじゃ…ないんだ」
冗談が通じない様子だったので、由香はそれ以上、下らないことは言わなかった。

「実はバイト先の店長が、急に辞めることになって、俺に後を見て欲しいって言うんだ」
「え?それって店長になるってこと?お兄ちゃんはバイトでしょう?」
「うん。店長っていうか店長代理だよ。俺は高校の頃からバイトしていて、いろいろ馴れてるし。だから次の店長が決まるまで、店長代理をしてくれって」
「それじゃ、今よりももっと忙しくなるってこと?」
「そうなんだ。今までは週3日ほど夕勤と夜勤やってたけど、学校の講義がない時は昼も入るだろうし、夕勤ももっと多くなる。日曜日もほとんど入ることになると思う」
「そう…じゃ、会える時間、本当に少なくなっちゃうね」
その言葉に、お兄ちゃんからの返事はなかったので、由香は続けた。
「仕方ないよ。お兄ちゃんは学校もあるんだし、バイトと学校の両立だけでも大変だって、分かってるよ。バイト代が家計費になってることもよく分かってるから」
「ごめんな。会えなくても、電話はするから。バイト先の電話番号、教えておくよ。毎月のシフト表も渡すから、俺がいるときには店に電話してきていいよ」
「うん。分かった。身体に気をつけてがんばってね。無理しちゃ駄目だよ」
由香の精一杯の強がりだった。
本当は会えなくなるなんて嫌だと言いたかった。でも、言って困るのはお兄ちゃんだ。
由香は聞き分けのいい女を演じるしかなかった。

それからしばらくして、ポストにお兄ちゃんからの手紙を見つけた。
手紙には「シフト表です。電話していい日と時間帯に丸をしておきました」とだけ書かれていた。その短い手紙を由香は何度も何度も読み返した。
しかし、お兄ちゃんがバイトに入っている日も由香からは電話をしなかった。バイト中に電話したら、彼が困るだろうと思ったからだ。
そして、どれだけ待ってもお兄ちゃんからも電話はなかった。

とうとう、あの電話からひと月が経った。
由香は意を決して、お兄ちゃんのバイト先に行ってみることにした。
コンビニに着き、車を前に止めてしばらく眺めた。ウインド越しにお兄ちゃんが働いている姿が見えた。彼は、コンビニのマークが入ったエプロンをして、レジに立っていた。
由香は客のフリをして、店に入った。
レジを打ち終わったお兄ちゃんは、段ボールから商品を出して、棚に並べる作業をしていた。
「いらっしゃいませ」
由香を客だと思ったお兄ちゃんは、そう挨拶した。
そして、それが由香だと分かった途端、満面の笑みを浮かべ、はしゃいだ声で言った。
「あれ、どうしたの?」
「うん、ちょっと近くに用事があったから、寄ってみた。元気でやってるかなと思って」
用事なんてない。ただ、会いたかった。
でも本当のことは言わないでおいた。
彼の負担になりたくはなかった。



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| 2017.09.15 Friday |
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