高校には2つの鞄を持って行った。1年の時にぺったんこにした皮の鞄とビニールの補助鞄。
皮の鞄は薄過ぎてほとんど入らなかった。詩を書くためのノートと文庫本の小説が1,2冊、これで満杯。だからビニール製の補助鞄に、私は必要なものを詰め込んだ。
一番大事な弁当箱。そして、2時間目が終わった時に食べるおにぎりが2個。
それから筆箱。私の筆箱にいつも必ず入っているものは、万年筆と禁煙パイポだった。
高校の時から、ノートを執る時も、詩を書く時も、万年筆を使っていた。とは言っても高いものは買えなかったので、1本1000円以下の安いものだった。
私自身はそれがとても大人に思えて気に入っていたが、周りの子は不思議がって見ていた。