雨の街角

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| 2017.12.12 Tuesday |
第六章 苦悩 〜克己からの電話〜
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「由香?彼とはどうなんだよ?その後」
克己から電話があったのは、由香がそうやって自己嫌悪に陥っている頃だった。
克己は、お兄ちゃんに「元カレがヨリを戻そうと言って困っている」と嘘の相談をしたあの元カレだった。
先日、克己から電話があったとき、元気がないことに気づかれてしまい、仕方なく、彼とは会えない日が続いていることを打ち明けていた。
「あれからもずっと会ってない…電話もほとんどない」
由香は、すっかり滅入った声でつぶやくように言った。
「もうあきらめろよ。そんな男忘れて、コンパでもやろうぜ」
克己はやけに明るく言った。
「コンパ?」
由香は少し怒った声で言った。
「おまえも、会えない男のことばっか考えてないで、パーっとやった方がいいって」
自分が騒ぎたいというのももちろんあっただろうが、克己も多分、心配してくれているのだろう。
その気持ちが分かった由香は気乗りしないが彼の誘いに応じることにした。
「じゃ、5,6人集めといて。とりあえず元気出せよ。じゃあな!」
克己は楽しそうな声のまま電話を切った。

当日、約束の喫茶店で集合した後、ボウリングに流れることになった。
みんなが楽しそうにボウリングをしている中、由香一人、ゲームにも参加せず、後ろの席でぼんやりと考え事ばかりしていた。
『そういえば、初めてのサークルはボウリングだったな。あのときはお兄ちゃんのこと大嫌いだと思ってたんだ。居酒屋で意気投合するまでは嫌いだったんだ。そのまま嫌いでいた方が良かったのかな』と。

「…な、おい、由香!聞いてるのか?」
克己が声をかけてくるまでゲームが終わっていたことにすら気づかなかった。
「あ、ごめん」
由香はうつろな目で答えた。
「悪いけど、あいつ送ってやってくれよ」
克己があいつと指さしたのは、とても可愛い女の子のような男の子だった。彼は由香と目が合った瞬間、ペコリと頭を下げた。
「何で?克己が送ってあげればいいでしょう?」
由香は、頭を下げた男の子の視線を無視し、克己を睨むように答えた。
「いや、あいつ、おまえが気に入ったらしいんだよ」
克己は由香の耳元でこっそりささやいた。
「そんなこと知らないよ。第一、私はそんなつもりで来たんじゃない。克己だって知ってるでしょう?」
由香はきっぱりと言い放った。
「俺も言ったよ。由香には彼氏がいるって。でもあいつ、聞かないんだ。とりあえず駅までだけ送ってやって。あいつの家、遠いから電車で来てるんだ。な、頼むよ」
克己は言いたいことだけ言って、去ってしまった。
由香は言い返す気力もなく、克己の指示に従った。

「行くよ」
由香はポケットから車の鍵を取り出して、克己があいつと指さした男の子に言った。
そして振り返ることもなく、早足で駐車場に向かった。女の子みたいな男の子は後ろからトコトコ着いてきた。
彼はノボルだと言った。聞いてもいないのに、自分の名前をそう告げた。
由香は全く興味がなかった。
車内でも一言も口を開くことはなく、彼が告げた駅まで送っていくと
「じゃあね」
とだけ言って、車から降ろして去った。



〜元カレ〜

やっと出てきましたね、克己君。これからちょこちょこ出てきます。
悲しきスクールガールでは「カツミ」はカタカナでしたが、ニタモノドウシでは漢字での登場です。

物語の始めの方でお兄ちゃんに「高校の時につきあっていた元恋人に復縁を迫られて困っている」と相談したのは克己のことだったと書きましたが、結構長くその「復縁を迫られる」状態は続きました(笑)途中からは本気かどうかもよく分かりませんでしたが。

後の物語にも出てきますが、克己にはほとんどの間、彼女がいました。私の友達だけでも3人つきあっていました。このコンパの時も私の友達の一人につきあってくれと言ってしばらくつきあっていましたね。
二股、ひどい時は三つ股かけていた時もあったし、その恋人と縁を切りたいとか言って私はダシにされたこともありました。
「ちょっと一緒に来てよ」と言われて喫茶店に連れて行かれ「俺、今こいつとつきあってる。だからもう別れてよ」と克己が彼女に告げ、それを聞いた彼女に罵声を浴びせられた上、コップに入った水を顔にぶっかけられたなんていうドラマのようなこともありました。
克己は新しい彼女が出来ると私に会わせて「俺が一番惚れた女。こういう女になってくれよな」と彼女に言うのです。そんな言葉を聞いて「分かった、じゃこの人みたいになるね」なんていう女の子いる訳ないじゃないですか…

こんな話ばかり書いていたら彼は悪党に見えますよね(笑)
でもそう悪い人でもないんですよ。
今回の話にも出てきたように、彼はいつも私を気にしてくれていました。
一言で「しつこい」と言えばそれまでなのですが(笑)良く言えば、彼は諦めが悪いというか、めげないというか、私にどんなに冷たくあしらわれようが、決して私から離れようとはしませんでした。
だからといって今でいうストーカーという感じではなく、ちょっと離れたところから見ていてくれるというか、突っ込み過ぎない程度に見守ってくれました。
このブログでも書いているように、未だにちょこちょこ電話してきて「元気か?最近体調はどうや?」と気遣ってくれます。

「今のおまえは俺のおかげで幸せなんだ」と時々克己が言うことがあるのですが、満更遠くはない話でもあるのです。
そんな内容がこれから展開されていきます。


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| 2017.09.30 Saturday |
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