雨の街角

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人生初のバイトは… 2
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コンパニオンのバイトは前述したように良いことばかりとはいかなかった。

一番困ったのは、お酒を呑まなければいけないこと。
私は酒が一滴も呑めない。下戸ってやつだ。パーティの時は勧められても呑んではいけないのだが、宴会の仕事の時は呑まなければいけない。いや、いけなくはないが勧められて呑まないと「客の酒が呑めないのか」と気分を害される。特に自分がチーフの時は「呑めません」なんて絶対に言えない。次から使ってもらえなくなる。
無理に呑んで気分が悪くなり、電柱にもたれかかっていたところを祇園の交番に保護されたということが2度ほどあった。
「お仕事とは言え、大変ですね。お酒、弱いんですか?」警官が聞いてきた。未成年のバイトとは見破られなかったということだろう(笑)
でもそのうちこれまたお客さんに「呑まなくても呑んだふりをする上手い方法」を教えてもらい、何とかごまかす術を得た。これも社会に出てから役に立った。

お酒が嫌いなのだから、作り方も全く分からなかった。
ワンフィンガーとツーフィンが−、ロックとストレートの違いも分からなかったし、もちろんハイボールも知らなかった。「ヘネシー、ツーフィンガーで」なんて言われてもちんぷんかんぷん。
その後、勉強して意味は分かったが、ワンフィンガーとツーフィンガーを目分量で量ることが出来ず、始めは本当に指1本や2本で量っていた。
ただ、匂いを嗅ぐだけで吐き気がしてくるほどの酒嫌いだったので、作り方が分かったとしても毎回馴れなくて困った。

逆に結構早々に馴れたのがハイヒールだった。
パーティでの接待はドレスや整列したときの印象を良くするため、全員の身長を175センチに合わせていた。私は163センチだったので10センチちょっとのヒールを履いていたが、すぐにロングドレスを着て楚々と歩けるようになった。
今でも15センチくらいのヒールを見るととても懐かしく思う。特に黒いの(笑)
パーティは2時間だが、準備のためパーティ開始1時間前にはホテルに到着しなければいけなかった。ホテルに到着すると表玄関からは入らず従業員さんが出入りする裏口から入りクロークへ。ところが中には裏口からの通路が迷路のようなホテルがあり、厨房を通らないとクロークに移動出来ないところもあり、ホテル内を彷徨うような時もあった。クロークに行って事務所の名前とパーティ名を語ると控え室を教えてもらえる。控え室のないホテルだと客室を与えられる。そこで多い時は数十人のコンパニオンが着替えたりヘアメイクをしたりするので、なかなかの戦争状態になる。
アップヘアは専属のヘアメイクさんがしてくれるが、メイクは自分で持って来た道具でやる。ただパーティで映えるようにしなければいけない(いわゆるお商売メイク)ため、濃すぎたり薄すぎたりするとメイクさんにやり直しされる。(そのメイクを普段やると引かれる)私は高校の時はびっしりメイクをしていたが、大学に入ると一切しなくなったので、メイクをするのはバイトの時だけだったが。

いろんな人たちが集うパーティがあったが、身分の高い人ほど私たちに対する扱いが粗末だった。お触りバーじゃありませんよ、というような客もいたし、こういう仕事をしているものを馬鹿にしているのか、おまえらには分からないだろうがと前置きをして政治経済や時事問題などをぶつけてくる人がいた。そんな時のために私は新聞は一面からほぼ目を通していた。が…ちゃんと答えれば不機嫌になり「女はそんなこと知らなくていい。早く結婚して子供産んで家で飯でも作ってろ」と。男尊女卑も甚だしい人が多かった。
中には仕事が終わった後、アフターでつきあえという客もいて私たちは逃げるように裏口から帰るのだった。しかし、裏口で待ち構えている悪質な客もいた。彼が迎えに来てくれている時はそんな恐怖からも逃れられたのだが。

酒の入る場所では人間の本質とか本性みたいなものが垣間見えることが多く、大変な思いや嫌な思いをすることもあったけど、私はあの仕事が嫌いじゃなかった。マナーも身についたし、いろんな勉強をさせてもらった。
この前辞めた後輩くんはうちの会社に来る前、お水の世界にいたことがあって、私があの仕事をしていたことも知っていたので、二人でよく当時の話をした。
「水商売ってどんな営業よりも人間を読まなきゃいけない究極の客商売ですよね。あの仕事をしていて磨かれた接待術って何ものにも代えがたいというか」
うん、間違いない、本当にそう思う。

学校を卒業したとき、あのバイトは辞めたが、今ではパーティに客として出ることもあるので、コンパニオンの人と接するととても懐かしい。私がいた企画会社はもうなくなってしまったが、あの頃張り合っていたライバルの会社はまだあって、当時と同じ制服を着ている。話を聞いてみるとバイト料金やコンパニオン派遣金額はあの頃とほとんど変わっていないようだ。
うちの父など、未だに「来月コンパニオン50人いるんやけど、どこに声掛けたら確実や?」と私に聞いてくる。「そら、○○企画やろ」とそのライバル会社の名前を語らなければならないことがちょっと悔しい(笑)

脈略のないだらだと長い話になっちゃってごめんなさいね。お盆休みの暇つぶしってことで!
読んで下さってありがとう。


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| 2017.08.13 Sunday | 昔の私、今の私 | comments(6) | - |
Comment








普通の人たちより、早く大人の世界に入った小雨さん。
いい経験になったみたいですね。
「〇〇企画」ありがちなネーミングでクスっとなりました。

今日は、実家に帰ってました。
まあ、クルマで1時間なので、帰省は楽です。
テレビで見る、飛行機や新幹線で列島大移動は大変だなと…
SONICなら、空いてる各駅停車や快速で移動するかもしれませんが、家族から大反対に合うこと間違いないですね(笑)。
posted by SONIC800 | 2017/08/13 10:19 PM |
高いハイヒール!160僂了笋覆蕕發少し高いのをはかなけりゃ!
足が綺麗に見えるのでヒールのある靴は好きですが10僂頬たないかも。
ホテルに入ってからの段取りに時間とるんだね。職場に行ってすぐに仕事に入れない仕事、苦手(笑)
でも気合い入りますよね。コンパニオンを演じるステージに出ていく感じじゃないですか。
水商売で売れるような若さはないのですが、そういうのも悪くないなと思いますね。
じっくり話をしたいオジサマ向きかと。お触りするには物足りない
身体だろうから(笑)
でもややこしい待ち伏せとか困りますね。ちょっと怖いし。
posted by mellow-mix | 2017/08/14 12:58 AM |
>SONICさん

何とか企画っていうネーミングがいかにも、でしょ?
でも今でもやっぱり派遣会社は何とか企画って名前が多いです。
その名前だけ見たら怪しいところかそうじゃないかってことは分からないのですが(笑)

車で1時間かぁ。
なかなかの距離だと思いますよ。
でも今テレビでやってるほどではないのか…
うちなんてね、私の実家まで徒歩5分です。
旦那の実家は…今はもうないけどあった時は車で30分でしたね。
posted by 小雨 | 2017/08/14 7:55 PM |
>mellow-mixちゃん

mellow-mixちゃんは今でもちゃんとヒール履いて過ごしてるんですね。
私は足を悪くしてからはほぼ履くことはなくなりました。
今はせいぜい5センチまでですね。

ホテルって裏口から入るとかなり分かりづらい構造になってるところが多いんです。
お客さんに入って欲しくないからなのでしょうが。
でも知らないとたどり着けないくらいのところもありましたよ。

私は元々客商売が好きなので、お客さん相手に話したり、仕事したりするのは大好きです。
それが水商売であっても、ね。
お触りされることはまぁ仕方ないかという半分あきらめみたいなものでしたね(笑)
それも仕事かと。
または触ってもらえるうちが華かと(笑)
posted by 小雨 | 2017/08/14 7:59 PM |
今では頑張ってる時しかヒールの高いの履きませんねぇ。
周りを見回してヒールの音を響かせてる女性はほぼ背丈が低い方ですね。

ホテルの裏口というか横から入っていき職場に行く仕事と、普通に
正面ドアから入って職場に就く仕事をしたことがありますね。
裏から入る仕事もいろいろあるものだと思います。
posted by mellow-mix | 2017/08/15 12:56 AM |
>mellow-mixちゃん

ヒールの音をコツコツさせて歩いている人は背の低い人か…
何となくわかるような気がします。
そういえばそうかな。
うちの職場はヒールを履いてするような仕事はないので(笑)誰も履いていませんが、他の会社の人も集まるような場所に行くとそういう姿を見かけます。

正面玄関から入って職に就く仕事か…
何だろなぁ。
ホテルに関わる仕事ってたくさんありますよね。
今の会社でもやっぱりホテルの仕事はあって、数社顧客があります。
コンパニオンは従業員と同じ扱いなので、裏からの出入りでしたけどね。
ちなみに私が一番ややこしいと思ったホテルは全日空ホテル京都でした。今はクラウンプラザという名前かな。
posted by 小雨 | 2017/08/16 3:16 PM |
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