雨の街角

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| 2019.03.18 Monday |
クリスマス Last story

ホワイトクリスマスになったところも少なくなかった今年のクリスマス。
私が一番思い出に残るあの年のクリスマスの日も、大雪だった…


朝起きると、窓の外がやけに明るかった。私はベッドから起き上がって、窓を開けた。外は真っ白で、何も見えないほどに雪が積もっていた。
「ホワイトクリスマス…か」
朝からバイトが入っていた私は、服を着替え、車を暖気するために外に出た。ルーフにもフロントガラスにも、5センチ近く雪が積もっていた。車に乗り込み、エンジンをかけた。暖まっていないエンジンは2000回転にもなり、唸りを上げていた。
うるさいほどのエンジンの音を耳にしながら、私はメーターパネルからふとフロントガラスに目を向けた。外からは雪に覆われて見えなかったが、運転席からは、ワイパーに何か挟んであるのが見えた。車から外に出て、フロントガラスの雪を手で払った。
「冷たい…え?何、これ?」
ワイパーには白い洋封筒が挟まっていた。封筒を見ると、宛名も差出人も書かれていなかった。私は運転席に戻り、その封筒をそっと開けてみた。

「メリークリスマス!たくさんたくさん、ありがとう。幸せになれよ、ブラックコーヒーの恰好いいお姉さん。追伸 あのお弁当の味はずっと忘れない」

彼からだった。封筒には書かれていなかったが、中のカードには、ちゃんと彼の名前が書いてあった。
私はその封筒を、胸の前でギュッと握りしめ、夜中に彼がこれをワイパーに挟んでくれた姿を想像した。もう枯れ果てたと思っていた涙が、溢れては落ちていった。
私はハンドルを抱え込み、声を上げて泣いた。

終わったつもりだった。終わらせたつもりだった。
でも、私の心の中ではどこかで、まだ戻れるんじゃないか、という淡い期待を持っていた。相手から告げられたさよならなら、あきらめるしかないけれど、自分から告げたさよならだから、またそのさよならを、自分から撤回出来るのではないか、と心のどこかで思っていた。
しかし、『幸せになれよ』というメッセージは、もう二人の恋は完全に終わったことを告げていた。

「本当に、本当にさようならなんだね、もう戻れないんだね」

あのカードが彼からの最後の発信となった。彼とはあれっきりだ。
彼は私が生涯一番深く愛した人だった。よくここでも恋愛詩を書いているが、その相手はほとんどがこの彼のこと。
彼に出会うまでの私は、ある恋に破れ、二度と恋なんてするものかと思っていた。なのに私とそっくりな感情を持つ彼に出会って、私の中で世界がひっくり返ったようだった。今でも彼のことを思うだけで涙が零れるほどだ。
彼と別れたのは、話せば長すぎるほど長い物語があるのだが、別れた時、私にはもう未来など何も見えなくなってしまった。今日も明日も明後日ももうどうでも良かった。私は彼と過ごした過去だけを心に生きていこうと思った。

今は思う。それだけ好きになれた人がいたことは言葉で表現出来ないほどの幸せだし、悲しかった思い出も辛かった思い出も、そして楽しかった思い出も全てが私にとっては一生の宝物だと。


クリスマスのお話は今日で最後です。
まだいくつか書いていたのですが、もうとっくにクリスマスを過ぎてしまい、出がらしになってしまいそうなので、ここで終了(笑)
またいつかその他のお話も書きたいと思っています。
読んで下さったあなたへ、ちょっと遅めの「Merry Christmas」を。


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| 2011.12.27 Tuesday |
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| 2019.03.18 Monday |
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